オリジナルウェットティッシュの印刷方法について(フラップ編)
弊社の人気商品「ウェットティッシュ」や「ウェットクリーナー」などにある、乾燥を防ぐためのシール状のふたをフラップといいます。
このフラップのオリジナル印刷は外装フィルムオリジナル印刷に比べ、比較的小ロット・低予算で作成できることから人気の仕様となっています。
フラップ印刷には「凸版印刷」と「オフセット印刷」の2種類の印刷方法があります。どちらも印刷最低ロットは1,000個からです。
今回はこの「凸版印刷」と「オフセット印刷」それぞれの特徴について解説します。
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凸版印刷とは
凸版印刷は、印鑑(はんこ)と同じ原理で凹凸の樹脂版の凸の部分にインクを付け加圧しながら直接シールに転写する印刷方法です。
発色が鮮やかで、単色・特色に適していますが、細やかなグラデーションや繊細な表現は得意ではありません。
〇長所
・インクの濃度が高く力強い印刷ができる。
△短所
・直接圧力をかけて印刷するため、細かいデザイン・小さい文字の再現が難しい。
・写真・グラデーションなどの表現に弱い。
マージナルが出やすい
マージナルとはインキが圧力によって押し出されるため、インキのはみ出しが起き、文字や画像の周りに濃い輪郭ができることです。凸版印刷は直接圧力をかけて印刷するため濃く・太く印刷されます。そのため細い線の再現が不得意です。また白ヌキの線や細かい文字は潰れやすく、見えなくなることもあります。
色の濃度5%以下の再現性
例えば0%~の連続階調のグラデーションのはずが3~5%くらいから急に現れるなど、凸版印刷では樹脂版の特性上、色の濃度0~5%の表現がきれいに出ない場合があります。作成段階で5%以下の表現はなるべく省くようにお願いしています。
オフセット印刷とは
オフセット印刷は、版から直接印刷するのではなく、アルミ版に刷版してから印刷します。平版のため厳密な色の再現が可能です。
商業印刷物や美術印刷の多くはこの印刷方式を用いられており、世界中で供給される商業印刷機の多くをオフセット機が占めています。
デザインにグラデーションや写真など繊細な表現がある場合、オフセット印刷のほうが高精細に印刷できます。
〇長所
・細かいデザイン・小さい文字も再現できる。
・写真・グラデーションなどの表現に強い。
△短所
・インクの濃度が薄く、濃厚な色の再現が困難。
・特色印刷には不向き。(色の調合が難しいので指定の特色と若干の色のズレが生じる場合があります。)
・小ロットは4色凸版印刷に比べ価格が割高になる傾向がある。
線数とは
線数とは印刷物の精度(きめ細かさ)を示し、1インチあたりに並ぶ網点の数のことをいいます。単位は「線」や「lpi(line per inch)」で表します。175線であれば1インチあたり175個の網点で表現されることになります。オフセット印刷は175線で、凸版印刷(125線)に比べ高精細の表現が可能です。
まとめ
それぞれの特徴は以下の表にまとめました。こちらを参考に作成いただいたデザインに合った印刷方法をお選びください。どちらの方法で印刷したらよいか判断がつかない場合はデータをお送りいただければ、確認後、最適な方法をご提案いたします。
凸版印刷 | オフセット印刷 | |
色数 | 1~4色までデザインに合った色数で印刷できます(特色も含む) | 基本的に(C・M・Y・K)4色フルカラーでの印刷になります |
特色 | 得意 | やや不得意 |
マージナル | 出やすい | 出にくい |
トラップによる混色※ | しやすい | しにくい |
写真やグラデーション | 不得意 網点5%以下は再現しにくい | 得意 |
細かい文字 | 不得意 4.25pt(1.5mm)以上が望ましい。明朝体など細い書体はできるだけ大きく | 得意 肉眼で見える程度であれば印刷可能 |
細かい線 | 不得意 0.3pt(0.106mm)以上が望ましい | 得意 0.1pt(0.035mm)以上が望ましい |
線数 | 125線 | 175線 |
価格比較(1,000~10,000枚の場合) | 安い | 高い(10,000枚を超えると価格差が小さくなります。) |
※「トラッピング」・・版ずれにより、別版のカラー間に隙間があくことがあります。このような隙間を防ぐために、隣接するカラーの境界線上に、両者をわずかに重なり合わせた部分(トラップ)を作ります。
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